平成23年度(2011) 試験 問10 | 中小企業診断士 中小企業経営・政策
次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。
中小企業診断士X氏は、顧問先の中小企業である機械部品製造業者Y社社長から、「取引先の生産活動が海外シフトしているのに対応して、自社でも海外生産法人の設立を検討しているが、中小企業が海外直接投資を行うにあたっての留意点・現状について簡単に説明してほしい。
」との相談を受けた。
なお、現在のところY社の事業活動は国内に限定されている。
以下は、X氏とY社社長との会話である。
X氏:「直接投資を行う場合、進出国の諸制度への対応、コスト管理や販路確保に加えて、人材確保・労務管理、投資資金等の資金調達についてもよく考える必要がありますね。」
Y社社長:「必要な投資資金は進出国では調達できないのですか。」
X氏:「経済産業省の2008年海外事業活動基本調査によれば、現地での資金調達手法については、本社企業が中小企業の進出企業の場合、日本本社からの資金送金で必要資金を賄っている企業が多いようです。」
Y社社長:「海外生産法人で利益が出た場合、日本本社にも利益を還流させたいのですが。」
X氏:「収益状況や進出国の法制度等にもよりますが、先ほどの経済産業省の調査によれば、2007年度の中小企業の現地法人の売上高に占める日本本社への支払費用の比率は2.6%で、同じく出資金に対する配当金の比率は7.3%です。なお、2009年度の税制改正により外国子会社配当益金不算入制度が創設されたことから、今後は海外子会社から日本本社への配当金が増加することが期待されています。」
(設問1)
文中の下線部①について、「2008年海外事業活動基本調査」に基づき、現地で
の必要資金の調達方法について、本社企業が大企業の進出企業(大企業)と本社企
業が中小企業の進出企業(中小企業)を比較した場合、最も不適切なものはどれ
か。
主にグループ内の金融会社から資金調達していると回答する企業割合は、大 企業が中小企業を上回る。
主に現地金融機関から資金調達していると回答する企業割合は、大企業が中 小企業を上回る。
主に本社からの資金送金で資金調達していると回答する企業割合が、中小企 業では過半を占める。
主に本社からの資金送金で資金調達していると回答する企業割合は、中小企 業が大企業を上回る。
大企業の支払費用比率は、一貫して上昇している。
大企業の支払費用比率は、ほぼ横ばいで推移している。
中小企業の支払費用比率は、一貫して上昇している。
中小企業の支払費用比率は、大企業の支払費用比率を一貫して下回っている。
中小企業の支払費用比率は、ほぼ横ばいで推移している。
a 外国子会社から受け取る配当の額の95%を益金不算入とする制度である。
b 対象となる外国子会社は、内国法人の持株割合が25%以上(租税条約により異なる割合が定められている場合はその割合)で保有期間が6カ月以上の外国法人である。
a:正
b:正
a:正
b:誤
a:誤
b:正
a:誤
b:誤