平成28年度(2016) 試験 問8 | 中小企業診断士 経営法務
中小企業診断士であるあなたは、意匠登録出願をしようとしている顧客の経営者X氏から相談を受けている。あなたとX氏との会話の組み合わせのうち、あなたの回答が最も適切なものはどれか。
選択肢 ア
X氏:弊社が開発した、ビデオディスクレコーダーの録画予約機能を発揮できる状態にするために行われる操作に用いられる画像は、意匠登録の対象となるでしょうか。
あなた:いいえ、意匠登録の対象とはなりません。ビデオディスクレコーダーの操作画像でテレビ受像器に表示されたものは、意匠登録の対象である「物品の形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合」に該当せず、意匠登録を受けられる場合はありません。
選択肢 イ
X氏:弊社のアイスクリームのヒット商品「診断くん」のデザインを一新しました。ぜひとも意匠登録をして模倣品対策をしたいのですが、意匠登録は可能でしょうか。
あなた:はい、意匠登録は可能です。アイスクリームは、時間の経過によりその形態が変化してしまいます。しかし取引時には固定した形態を有しているので、意匠登録の対象となることはあります。
選択肢 ウ
X氏:弊社のバラの造花は、デザイン性が高いため、売れ行きが非常に好調です。そこで、類似品が販売されるのを防止するため意匠登録をしたいと考えています。このようなバラの造花は、意匠登録の対象となることはありますか。
あなた:いいえ、意匠登録の対象となることはありません。貴社のバラの造花は、自然物の形状、模様、色彩を模したものですから、意匠登録の対象となることはありません。
選択肢 エ
X氏:弊社は、仏壇の製造販売を行っています。このたび、大変斬新な形態の仏壇のデザインができたため、意匠登録をしようと考えています。この仏壇のデザインは意匠権に加えて、著作権によっても保護されますか。
あなた:いいえ、著作権によっては保護されません。美術的作品であっても、仏壇のように量産されるものであるときは、著作権により保護される ことはありません。貴社の仏壇は、著作権によってではなく、意匠権によってのみ保護されます。
[出典:中小企業診断士 経営法務 平成28年度(2016) 試験 問8]