平成27年度(2015) 試験 問15 | 中小企業診断士 経営法務
外国企業への生産委託に関する以下の文章の空欄AとBに入る語句の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。 国内の中小製造業者がアジア諸国等の現地企業に生産委託を行う場合、現地法人や現地工場を確保する場合と比較して、生産コスト面や労務管理面での負担軽減、海外販路の確保、ハイテク製品とローテク製品の生産のすみ分け等といった利点が挙げられる。その一方、技術流出や秘密漏洩のリスクがあるほか、品質管理やブランド管理に困難を伴うといった問題点もある。
受託者(現地企業)に開示する技術情報についての秘密保持義務を生産委託契約で規定することは、受託者への義務付けを通して技術流出の未然防止が期待できるが、いったん技術情報が流出してしまえば、第三者による技術利用を拘束する効力はない。このような第三者による重要な生産技術の利用を防ぐ上で、受託者の本拠地国での [A] は一定の効果があるが、他方で権利を取得する前に生産方法の公開により技術的なノウハウが広く全世界に流出してしまうリスクを生じさせるので、慎重に検討する必要がある。
生産委託の形態として採用される手法のひとつが、委託者(国内企業)が製品の設計から制作・組立図面に至るまで受託者へ支給し(場合によっては技術指導も行う。)、委託者のブランドで製品を生産するOEMである。委託者にとっては、製品市場の導入期や成長期におけるブランドの知名度向上、生産能力不足のカバーといったメリットが大きい。この生産委託の形態をさらに進化させたのが、製品の設計段階から製品開発、場合によってはマーケティングに至るまで受託者が一貫して提供する [B] であり、受託者の技術レベルが委託者と同水準以上にあることが基本的な特徴である。
選択肢 ア
A:意匠権の取得
B:FMS
選択肢 イ
A:オープンソース化
B:EMS
選択肢 ウ
A:商標権の取得
B:ODF
選択肢 エ
A:特許権の取得
B:ODM
[出典:中小企業診断士 経営法務 平成27年度(2015) 試験 問15]