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以下の会話は、中小企業診断士であるあなたとX株式会社(以下「X社」という。)の代表取締役甲氏との間で行われたものである。現在、X社は、Y株式会社(以下「Y社」という。)との間で、Y社の完全子会社であるZ株式会社(以下「Z社」という。)の全株式の買取りに向けた交渉を行っている。この会話を読んで、下記の設問に答えよ

甲氏:「今、わが社によるZ社株式の買取りについての契約書を読んでいるのですが、見慣れない用語が飛び交っていて正直よく分かりません。」

あなた:「確かに、株式譲渡契約は、売買、賃貸、請負といった、企業間の商取引とは異なる構造になっているので、慣れないと難しいですよね。これらの契約には、 [A] や [B] 事項といった [C] 系の概念が用いられており、 [D] 系に属する日本にはなじみにくいところがあります。」

甲氏:「まず、クロージングとは何でしょうか。」

あなた:「取引の実行のことですね。通常、契約書を締結してから、取引を実行するまでに間隔が空くので、クロージングという概念がでてきます。株式譲渡の場合でいうと、売主から買主への株主権の移転と買主から売主への株式譲渡代金の支払ということになります。」

甲氏:「なるほど。 [A] とはどういうことでしょうか。」

あなた:「株式譲渡の場合だと、契約の一方当事者が、相手方当事者に対し、株式やその株式を発行している株式会社の状況などについて、契約書締結時やクロージング時などの一定の時点において、一定の事項が真実かつ正確であることを [A] するものです。今回の契約書ですと、Y社が御社に対して、Z社において未払い残業代がないことなどを [A] しています。」

甲氏:「難しいですね。 [B] 事項とは何でしょうか。」

あなた:「契約の一方当事者が、相手方当事者に対し、一定の行為を行う、又は行わないことを約束し、又はその義務を負うことです。大きく分けてクロージング前のものとクロージング後のものがあります。今回の契約書ですと、Y社がクロージングまで、Z社を適切に経営していくことなどがこれに該当します。」

甲氏:「やっぱり、難しいですね。」

あなた:「うまく説明できなくてすみません。これらを理解するには、 [A] や [B] 事項に違反した場合にどういう効果が発生するのかを考えると分かりやすいかもしれません。まず、クロージング前に [A] 違反や [B] 事項違反が発覚した場合には、一方当事者が違反した当該者に対し、①取引の実行拒否、②契約の解除及び③損害の補償請求を求めることができると契約書に定めることが多いです。他方、クロージング後に違反が発覚した場合については、①から③までのうち、 [E] のみ認められると契約書に定めることが多いです。」

甲氏:「なるほど。ようやく理解できました。買主である当社としては、契約締結後に取引を取り止めたい事由や契約を解除したい事由、Y社に損害を補償してもらいたいと考えるケースについてY社の [A] や [B] 事項として契約書に定めておけばいいわけですね。」

あなた:「そのとおりです。」(設問1)会話の中の空欄A、B及びEに入る語句の組み合わせとして最も適切なものはどれか。

選択肢 ア

A:誓約
B:表明・保証
E:②契約の解除

選択肢 イ

A:誓約
B:表明・保証
E:③損害の補償請求

選択肢 ウ

A:表明・保証
B:誓約
E:①取引の実行拒否

選択肢 エ

A:表明・保証
B:誓約
E:③損害の補償請求

[出典:中小企業診断士 経営法務 平成25年度(2013) 試験 問2]

(設問 2)
会話の中の空欄C及びDに入る語句の組み合わせとして最も適切なものはどれか。

選択肢 ア

C:英米法
D:大陸法

選択肢 イ

C:国際法
D:国内法

選択肢 ウ

C:私法
D:公法

選択肢 エ

C:手続法
D:実体法

[出典:中小企業診断士 経営法務 平成25年度(2013) 試験 問2]

解答

設問1
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設問2
正解
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