平成25年度(2013) 試験 問4 | 中小企業診断士 経営法務
事業承継に関する以下の会話は、中小企業診断士であるあなたとX株式会社(以下「X社」という。)の代表取締役であり、かつ、X社の全株式を保有する甲氏との間で行われたものである。この会話を読んで、下記の設問に答えよ。
なお、X社は、取締役会設置会社である。
甲氏:「私ももう70歳です。そろそろ第一線から退いて、後継者と考えている長男の乙に株式をすべて譲り、私は、取締役相談役といった形で経営にかかわっていきたいと考えています。ただ、長男はまだ40歳で、経営者としてはまだ少し若いような気がするので、少し不安が残ります。」
あなた:「それでしたら、甲さんが現在保有している株式はすべて乙さんに譲りつつ、新たに甲さんに [A] を発行したらいかがでしょうか。そうすれば、甲さんの賛成がなければ、X社の株主総会決議事項又は取締役会決議事項の全部又は一部を決議できないようにできます。」
甲氏:「なるほど。そのような株式を発行することができるのですね。」
あなた:「ただし、この株式を発行した場合、 [B] ので、注意してくださいね。」
甲氏:「分かりました。」(設問1)会話の中の空欄Aに入る語句として最も適切なものはどれか。
拒否権付株式
取得条項付株式
取得請求権付株式
役員選任権付株式
乙さんが経営努力を重ねてX社の株式の価値が上がれば上がるほど、乙さん以外の相続人の遺留分の額が増加してしまうことになる
議決権のない株式を有する株主について、優先的に配当を行うなどの配慮が必要になる
甲さんが万が一お亡くなりになった場合、乙さん以外の相続人が乙さんに対して遺留分減殺請求を行う可能性が高まる
甲さんと乙さんとの間で株主総会決議事項又は取締役会決議事項について意見が食い違って調整できないときは、何も決められない状態に陥る危険がある