平成24年度(2012) 試験 問9 | 中小企業診断士 経営法務
以下の記述は、ある条約に関するものである。
この条約の名称として最も適切なものを下記の解答群から選べ。
この条約について日本は1978年7月1日に加入書を寄託しており、同年10月1日付で日本について効力を発生した。
この条約に基づく国際出願とは、ひとつの出願書類をその規則に従って提出することにより、加盟国であるすべての国(2011年9月1日現在144ヵ国)に同時に出願したことと同じ効果が得られる。
しかし、出願人が特許を取得したい国を指定国として願書に記載をするのが通例である。
ある発明に対して特許権を付与するか否かの判断は、各国がそれぞれの特許法に基づいて行う。
従って、特定の国で特許を取得するためには、その国に対して直接、特許出願を行うことが必要となる。
経済と技術のボーダレス化を背景として、多くの国で製品を販売したい、模倣品から自社製品を保護したい、等の理由から特許を取得したい国の数は増加する傾向にある。
特許を取得したいすべての国に対して個々に特許出願を行うことはとても煩雑であり、更に先願主義のもと、特許出願は一日でも早く行うことが重要である。
たとえ、出願日を早く確保しようとしても、すべての国に対して同日に、それぞれ異なった言語を用いて異なった出願書類を提出することは、ほぼ不可能といえる。
この条約による特許出願では、国際的に統一された出願書類を加盟国である自国の特許庁に対して1通だけ提出すれば、その国際出願はすべての加盟国に対して「国内出願」を出願したことと同じ扱いを得ることができる。
しかしながら、この条約では、あくまで出願手続きを簡素化したものに過ぎず、特許要件の審査は、各国毎の特許法により行われるものであり、いわゆる「世界特許」ではないことに注意を要する。
国連ウィーン条約
特許協力条約
パリ条約
ヘーグ条約