平成24年度(2012) 試験 問12 | 中小企業診断士 経営法務
中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律(平成20年法律第33号)においては、中小企業における経営の承継の円滑化を図るため、遺留分に関する民法の特例(以下「遺留分特例」といい、遺留分特例の適用対象となる事業者を「特例中小企業者」という。)を定めている。これに関連した下記の設問に答えよ。
(設問1)
民法の遺留分に関する原則の記述として最も適切なものはどれか。
遺贈及び生前贈与の減殺を請求することができるのは、遺留分権利者本人に限られ。その承継人は請求することができない。
遺留分減殺請求権の消滅時効期間は、遺留分権利者が、相続の開始及び減殺すべき贈与又は遺贈があったことを知った時から1年間である。
兄弟姉妹のみが相続人である場合の遺留分の割合は、被相続人の財産の3分の1である。
相続の開始前における遺留分の放棄は、推定相続人の単独の意思表示により、その効力を生ずる。
遺留分算定において、後継者が生前贈与を受けた自社株式の価値を固定し、又は遺留分の算定から除外する旨の推定相続人間の合意は、その合意が特例中小企業者の経営の承継の円滑化を図るためにされたこと等についての経済産業大臣の確認を受けた者の申立てにより、地方裁判所の許可を得たときに限り、その効力を生ずる。
遺留分特例により、特例中小企業者の先代経営者から後継者に自社株式を生前贈与した場合、後継者を含む先代経営者の推定相続人は、当該生前贈与後に成立した推定相続人全員の合意をもって、書面により、後継者が上記生前贈与により取得した自社株式について、遺留分を算定するための基礎財産の価額に算入すべき価額を当該生前贈与の時における価額とすることができる。
遺留分特例により、特例中小企業者の先代経営者から後継者に自社株式を生前贈与した場合、後継者を含む先代経営者の推定相続人は、その全員の合意をもって、書面により、後継者が上記生前贈与により取得した自社株式の価額について、遺留分を算定するための基礎財産の価額に算入しないことができる。
特例中小企業者において、先代経営者から後継者に自社株式を生前贈与した場合、先代経営者の死亡後に、後継者と非後継者との間の遺産分割協議により、生前贈与株式についての非後継者の遺留分を放棄する合意をしたとしても、家庭裁判所の許可がなければ遺留分放棄の効力を生じない。