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特許権を取得した会社の専務取締役甲氏と、中小企業診断士であるあなたとの間の、特許権のライセンスに関する以下の会話を読んで、下記の設問に答えよ。

甲氏:「知財担当の主任から聞きましたが、平成24年4月から特許法の改正法が施行されて、特許権のライセンスについて登録制度が変更されたそうですね。」

あなた:「はい。特許権の [A] の設定を受けたライセンシーが、特許権を譲り受けた第三者に自らの権利を対抗するため、これまでは特許庁にその権利の登録をする必要がありました。今後、ライセンシーは登録なしで [A] を特許権の譲受人に対して当然に対抗できることになります。」

甲氏:「当社はライセンシー側でもありますが、登録制度を利用していませんでした。」

あなた:「また、破産手続のことを考えると、破産管財人は破産手続開始時点で [B] である破産者・第三者間の双務契約を解除できるのが原則ですが、ライセンス契約においては、たとえ [C] が破産しても [A] について対抗要件が備わっていれば、破産管財人は [A] の設定契約を解除できません。今回の特許法改正により、特許権者から [A] の設定を受けたライセンシーはその後特許権者が破産しても、破産管財人に当然に対抗できます。ライセンスを受けた技術を安心して利用し続けられますし、特許権のライセンスビジネスでの活用の幅も広がります。」

甲氏:「だけど、せっかく第三者が特許権を買い取っても、特許庁の登録を見ても分からないライセンシーへのライセンスを打ち切れないわけですよね。それって特許権を活用したファイナンスとかM&Aの妨げになりませんか。」

あなた:「企業買収の際には、買収企業側が被買収企業側にデュー・ディリジェンスを実施し、被買収企業側からの『開示したライセンシーがすべてであり、開示されないライセンシーは存在しない』という [D] 条項をおけば、買収側としては一応のリスク回避が可能です。ただ、おっしゃるとおり、隠れたライセンシーの存在やライセンス日付のバックデートの可能性が、特許権を活用した資金調達のマイナス要因になりかねないという指摘はあります。」

甲氏:「それに、特許権の譲渡後に譲渡人が新たならライセンシーとライセンス契約を結んでしまったりした場合、ライセンシーは [A] を特許権の譲受人に主張できますか。」

あなた:「特許法の条文上は、ライセンシーは [E] 後に特許権を取得した第三者にその権利の効力を主張できますから、 [F] が特許権を移転登録より先であれば、 [A] の方が優先します。」

(設問1)
会話中の空欄A~Cに入る語句の組み合わせとして最も適切なものはどれか。

選択肢 ア

A:専用実施権
B:双方未履行
C:ライセンシー

選択肢 イ

A:専用実施権
B:双方履行済み
C:ライセンサー

選択肢 ウ

A:通常使用権
B:一方履行済み
C:ライセンシー

選択肢 エ

A:通常実施権
B:双方未履行
C:ライセンサー

[出典:中小企業診断士 経営法務 平成24年度(2012) 試験 問13]

(設問 2)
会話中の空欄D~Fに入る語句の組み合わせとして最も適切なものはどれか。

選択肢 ア

D:瑕疵担保責任
E:特許発明の実施
F:ライセンス契約締結

選択肢 イ

D:実績補償
E:特許発明の実施
F:ライセンス対象技術の実際の利用

選択肢 ウ

D:損失補償
E:通常実施権の発生
F:ライセンス対象技術の実際の利用

選択肢 エ

D:表明・保証
E:通常実施権の発生
F:ライセンス契約締結

[出典:中小企業診断士 経営法務 平成24年度(2012) 試験 問13]

解答

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