平成23年度(2011) 試験 問8 | 中小企業診断士 経営法務
次の記述は、ある条約(以下「A」という。)に関するものである。
「A」に該当するものとして最も適切なものを下記の解答群から選べ。
日本が1999年12月14日に加盟し、2000年3月14日付で効力が発生した商標登録の手続のための条約で、現在のところ、加盟国(地域を含む)は、80か国以上に及んでいる。商標その他特許、実用新案及び意匠は、基本的には属地主義のために各国(若しくは地域、以下、「各国」という。)ごとに登録しなければならないが、各国別に出願手続を行う場合、各国ごとの所定の条件に従わなければならず、あるいは料金の支払いが必要となる。
そして、各国別にそこに居住する弁護士又は弁理士によらなければ出願手続ができない。
そこで、これらの不都合を解消するため、世界知的所有権機関WIPO(国際事務局)は、1891年4月に「A」の親というべき条約を制定したが、未加盟国から、使用言語(フランス語のみ)、審査期間(12か月)、本国登録への従属性(国際登録日から5年を経過していない国際登録に関して本国登録が何らかの理由により消滅した場合には、国際登録も同時に消滅する)などその加盟を困難にさせる問題点があることが指摘された。
「A」は、これらの問題点を克服して、より多くの国が参加できるような商標の国際登録制度を確立することを目的に独立した条約として1989年6月に採択されたものである。
「A」の制度のもとでは、締約国の官庁に商標登録出願をし又は商標登録を受けた名義人は、その出願又は登録を基礎に、保護を求める締約国を指定し、本国官庁を通じて国際事務局に国際出願をし、国際登録を受けることにより、指定国官庁が12か月(又は、各国の宣言により18か月)以内に拒絶の通報をしない限り、その指定国において商標の保護を確保することができる。
Benelux Convention on Intellectual Property
Community Trade Mark
Protocol Relating to the Madrid Agreement Concerning the International Registration of Marks
The Paris Convention, known as the International Convention for the Protection of Industrial Property