前の問題次の問題

企業情報の法的保護に関する次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。

企業における技術、ノウハウ、顧客情報等の企業情報について、企業が収益を生み出す知的資産としての法的な保護を享受するためには、そのような企業情報が、 [A] により特許権等の知的財産権を取得して活用するのにふさわしいものか、それとも [B] し、不正競争防止法上の営業秘密等の機密情報として管理していくのが適切なものかを振り分けていくという経営判断が必要になる。

企業情報が不正競争防止法上の営業秘密として保護されるためには、秘密として管理されていること(秘密管理性)、有用な営業上又は技術上の情報であること(有用性)、公然と知られていないこと(非公知性)の3要件をすべて満たすことが必要とされている。例えば、技術・ノウハウ等を記録したデータファイルが企業内のサーバーコンピューターに保存されていたが、アクセス制限がなくパスワードも設定されていないという状態では、 [C] の要件を欠き、営業秘密とは認められない可能性が高い。

平成21年の不正競争防止法の改正により、営業秘密の侵害行為に対する処罰範囲が拡大され、改正前は不正競争の目的で、詐欺、窃盗、横領等の不正な方法により営業秘密を使用し又は開示する行為等だけが処罰の対象とされていたものが、改正後は、(1)不正の利益を得たり保有者に損害を加えたりする目的で、営業秘密を不正な方法により使用し又は開示する行為、更には、(2)上記(1)の目的で、不正な方法により、営業秘密を第三者が取得、又は従業者・取引先等が領得する行為等も処罰の対象とされることとなった。その結果、 [D] 行為、 [E] 行為等も、営業秘密の侵害として処罰されることとなった。

(設問1)
本文中の空欄A~Cに入る用語の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。

選択肢 ア

A:オープン化
B:ブラックボックス化
C:非公知性

選択肢 イ

A:オープン化
B:ブラックボックス化
C:秘密管理性

選択肢 ウ

A:ブラックボックス化
B:オープン化
C:秘密管理性

選択肢 エ

A:ブラックボックス化
B:オープン化
C:有用性

[出典:中小企業診断士 経営法務 平成23年度(2011) 試験 問14]

(設問 2)
本文中の空欄D・Eに入る記述の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。

選択肢 ア

D:機密保持契約を締結して提携先企業から提供を受けた営業秘密を、機密保持契約に違反して提携終了後に記録媒体から消去したように装って実際には消去せず、自社の製品開発に利用する。
E:社内規定による許可無しに営業秘密記録媒体を自宅に持ち帰って残業する

選択肢 イ

D:自社の内部告発規定に違反する方法で、自社の不正情報とともに営業秘密をマスコミに提供し、謝金をもらう
E:社内規定による許可無しに営業秘密記録媒体を自宅に持ち帰って残業する

選択肢 ウ

D:社内規定による許可無しに営業秘密記録媒体を自宅に持ち帰って残業する
E:報酬を得る目的で、保有企業に無断で営業秘密を外国政府に開示する

選択肢 エ

D:保有企業への嫌がらせ目的で当該企業の営業秘密をネット上の掲示板に書き込む
E:報酬を得る目的で、保有企業に無断で営業秘密を外国政府に開示する

[出典:中小企業診断士 経営法務 平成23年度(2011) 試験 問14]

(設問 3)
企業の保有する技術・ノウハウ等を営業秘密として管理する場合のメリット・デメリットに関する記述として最も適切なものはどれか。

選択肢 ア

一定期間、譲渡可能な排他的独占権を取得できる一方で、出願内容を公開することが権利取得の前提となるので、自社の開発動向が他社に知られることになる。

選択肢 イ

失敗した実験のデータ等のノウハウも保護対象となり得る一方、保護期間が満了すれば誰でも利用可能となる。

選択肢 ウ

事前の審査を通じて権利の内容が明確となるが、他社が同一技術を独自開発した場合には独占できなくなる。

選択肢 エ

製品の分解等により明らかにならない限り、保護期間の制限がなく、他社との差別化を図ることができる一方で、登録制度がなく、権利の存否・内容が不明確となりがちである。

[出典:中小企業診断士 経営法務 平成23年度(2011) 試験 問14]

解答

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