平成22年度(2010) 試験 問7 | 中小企業診断士 経営法務
中小企業診断士であるあなたは、顧問先の会社の社長甲から、甲の子が勤務していた会社が倒産したとして相談を受けた。甲の子が勤務していた会社の破産の概要及び甲の子が会社に対して有している債権の内容は以下のとおりである。そのうえで、あなたと甲との会話を踏まえて下記の設問に答えよ。
甲:「配当はあるのでしょうか。」
あなた:「破産の場合、配当する順番が決まっているから、それに従うことになります。」
甲:「具体的にはどうなるのですか。」
あなた:「まず、破産財団から、 [A] に対する配当を行います。これには破産管財人の費用その他破産財団の管理・換価及び配当に関する費用などが含まれます。 [A] に全額配当してもまだ破産財団に余剰があるという場合には [B] に対する配当を行います。 [B] に全額配当してもまだ破産財団に余剰がある場合には、一般破産債権に対する配当が行われますが、通常は、全額弁済できないので、按分して配当されることになります。」
甲:「そうすると、今回の場合どうなるのでしょう。」
あなた:「仮に、現状を前提にして考えると、破産財団1,000万円から、破産管財人の費用その他破産財団の管理・換価及び配当に関する費用200万円がまず支払われます。そして、残りの破産財団800万円から、 [A] に該当する税金や未払給料への配当など、先ほどお話した順番で配当がされます。ですから、お子さんの場合、配当額は、 [C] ということになります。ただし、配当額は、破産財団の管理等に要した費用などで大きく変動しますから、詳しくは破産管財人に問い合わせて下さい。また、未払給料については、独立行政法人労働者健康福祉機構で行っている未払賃金の立替払制度もありますから、こちらの利用も検討してもよろしいかと思います。」
【破産した会社の概要】
決算期 毎年4月1日~3月31日
破産手続開始決定日時 平成22年1月6日(水)午後5時
現在の破産財団 | 約1,000万円 | ||
破産管財人の費用その他破産財団の管理・換価及び配当に関する費用(見込額) | |||
約200万円 | |||
税金の滞納分 | 平成19年分 | 約100万円 | |
平成20年分 | 約150万円 | ||
平成21年分 | 約500万円 | 合計約750万円 | |
未払給料(甲の子を含む10名分) | |||
平成21年4月~6月分 | 約50万円 | ||
平成21年7月~9月分 | 約100万円 | ||
平成21年10月分~12月分 | 約300万円 | 合計約450万円 |
会話中の空欄A,Bに入る文章として最も適切なものはどれか。
選択肢 ア
A:共益債権
B:別除権
選択肢 イ
A:財団債権
B:優先的破産債権
選択肢 ウ
A:別除権
B:財団債権
選択肢 エ
A:優先的破産債権
B:共益除権
[出典:中小企業診断士 経営法務 平成22年度(2010) 試験 問7]
(設問 2)
会話中の空欄Cに入る文章として最も適切なものはどれか。ア債権額全額の約45万円イ債権額約45万円の9分の1の約5万円ウ平成21年10月から12月分の未払給料全額にあたる約30万円エ平成21年10月から12月分の未払給料約30万円の2分の1の約15万円
選択肢 ア
債権額全額の約45万円
選択肢 イ
債権額約45万円の9分の1の約5万円
選択肢 ウ
平成21年10月から12月分の未払給料全額にあたる約30万円
選択肢 エ
平成21年10月から12月分の未払給料約30万円の2分の1の約15万円
[出典:中小企業診断士 経営法務 平成22年度(2010) 試験 問7]