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ホテル業を営むA会社は、新しくホテルを建設することとし、B設計建築会社(以下「B会社」という。)との間で工事請負契約を締結した。予定どおり竣工し、A会社は、当該契約に基づいてこのホテルの引渡を受け営業を開始した。

しかし、このホテルは、B会社から構造設計の委託を受けた一級建築士Cが、建築基準法令で定められた耐震強度を満たしたかのように偽装したものであった。なお、このホテルの建築に関し、D会社による確認審査、E会社による構造計算適合性判定においては、それぞれ建築基準関係規定に適合しているとされていた。

その後、同地域を襲った地震により、このホテルの耐震強度偽装が発覚した。その結果、行政当局の指導を受け、このホテルを休業および補修し、A会社は多額の損害を被った。

これらの状況を前提に、以下の選択肢ア~エのうち最も適切なものはどれか。

選択肢 ア

A会社は、B会社に請求する損害賠償とは関係なく、建築士Cに対してもB会社を債権者代位して契約上の義務に違反するとして損害賠償請求をすることができる。

選択肢 イ

A会社は、偽装を見抜けなかったD会社・E会社に対しても、自己に生じた損害について無過失責任を追及することができる。

選択肢 ウ

A会社は、不完全履行があるとして、B会社に対して、補修に要した相当額の不当利得返還請求をすることができる。

選択肢 エ

A会社は、補修および休業したことにより生じた損害について、B会社に対し、債務不履行責任に基づく損害賠償請求をすることができる。

[出典:中小企業診断士 経営法務 平成22年度(2010) 試験 問12]

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