平成22年度(2010) 試験 問17 | 中小企業診断士 経営法務
金融庁の公表している「金融検査マニュアル」によれば、金融機関に対して自己査定を行う体制の整備・確立を求めている。それによると、金融機関では、貸出金などを債務者の信用リスクに応じて適切に管理するため、債務者を信用格付けやその他の状況等により正常先、要注意先、破綻懸念先、実質破綻先及び破綻先に区分(債務者区分)する。さらにそれぞれの債務者ごとの個別の債権の分類を行う。貸倒引当金の算定は、この債務者区分や債権の分類に基づき行われる。上記に関連した記述として、最も不適切なものはどれか。
選択肢 ア
債権の分類は、債権の資金使途等の内容を個別に検討し、担保や保証等の状況を勘案のうえ、債権の回収の危険性又は価値の毀損の危険性の度合いに応じて行うものとする。
選択肢 イ
債務者区分について、特に中小・零細企業等については、債務者の財務状況等の他、当該企業の技術力、販売力や成長性などの情報や代表者等の収入状況や資産内容等を総合的に勘案するものとする。
選択肢 ウ
債務者区分の破綻懸念先の債務者は、さらに要管理先である債務者とそれ以外の債務者とを分けて管理することが望ましい。要管理先である債務者とは、金利減免などの貸出条件や、支払が延滞しているなどの履行状況に問題がある債務者をいう。
選択肢 エ
信用格付は、債務者の財務内容、格付機関による格付、信用調査機関の情報などに基づき、債務者の信用リスクの程度に応じて行われる。信用格付は、債務者区分と整合的でなければならない。
[出典:中小企業診断士 経営法務 平成22年度(2010) 試験 問17]