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X社は商品の物流を担っている株式会社であるが、ソフトウェアの開発を専門とする株式会社であるY社に対して、事業に使用するシステムに組み込むソフトウェアの開発をしてほしいと考えている。
そこで、X社は、自社の事業所内の一部を作業場所として提供し、Y社の従業員でソフトウェア技術者であるZ氏に、その作業場所を利用して、システム開発およびその保守の作業にあたらせることを予定している。次は中小企業診断士のあなたとX社の総務担当部長の会話であるが、会話中の空欄A~Cに入る用語の組み合わせとして最も適切なものを下記の解答群から選べ。

部長:「Z氏を推薦してきたY社に『早急に新しいシステムがほしいので、来月から始めたいね』と言ったら、すぐに [A] 書を持ってきたよ。でもね、すべて先方の責任として、だけれども当社の指示はきちんと守るように、うちの社員と同様に使えるよう、交渉したいなぁと思うのだけど。」

あなた:「それは、 [B] 書ではないのですか。」

部長:「ちがうね。何かまずいの。」

あなた:「Y社は派遣業者として届出や許可がある業者なのですか。」

部長:「うーん、わからないねー。」

あなた:「Y社に届出や許可がないのであれば、Y社との契約は [C] などであることが必要ですから、相手方に一定の裁量を与えなければダメですよ。」

部長:「どうして。」

あなた:「 [B] は法律で労働者を保護するためにさまざまな規制があります。これを脱法するために [C] 書にして対処しようとする企業があります。この契約書のタイトルは『 [A] 書』になることもあります。ただ、これらは偽装請負や偽装委託などといって、違法な行為になります。」

部長:「ああ、聞いたことがある言葉だね。そんな悪いことをする会社に思えなかったけど。」

あなた:「 [C] といえるためには、Z氏がその作業を遂行するにあたり、その遂行方法に関する指示その他の管理をY社が行い、Y社が自らの責任で御社に仕事完成物を納品することが必要になります。ですから、契約書もY社に管理権限があることになっているのでしょうし、実態もそうでなくてはなりません。就業場所が御社ということですと、就業規則なども他の社員と同じように守ってもらいたいでしょうし、なかなか難しそうですね。」

部長:「それでは、このままだと当社は基本的にわざわざY社を通じてZ氏を管理しなくてはならないということなんだね。」

あなた:「そのとおりです。ですから、御社がパート社員のようにZ氏を使いたいのであれば、Y社が届出や許可を受けている派遣業者か確認しなければならないと思います。」

部長:「適法な派遣業者か確認して、 [B] の関係にしてもらうほうがよいということですね。」

あなた:「そのほうがコンプライアンスにかなうと思いますよ。」

選択肢 ア

A:業務委託契約
B:雇用契約
C:準委任契約

選択肢 イ

A:業務委託契約
B:労働者派遣契約
C:請負契約

選択肢 ウ

A:準委任契約
B:雇用契約
C:請負契約

選択肢 エ

A:準委任契約
B:労働者派遣契約
C:業務委託契約

[出典:中小企業診断士 経営法務 平成21年度(2009) 試験 問13]

解答

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