平成16年度(2004) 試験 問14 | 中小企業診断士 経営法務
広告に起因するトラブルに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
選択肢 ア
XはY社から家庭用サウナを購入した際、Y社の社員からA新聞の広告に一回だけ、他の購入者全員の顔写真と並べて顔写真を小さくのせる、との説明を受け、顔写真を広告にのせることを承諾した。ところが、Y社はA新聞に計12回、Xの顔写真入りの広告を掲載し、そのうちの1回はXの写真のみを大きくアップして掲載した。Xは有名人やタレントではないが、Y社に慰謝料を求めることができる。
選択肢 イ
Y社は脱毛機の販売会社で、「毛をつまむだけで簡単に永久脱毛できる」とか「1分間でスピード脱毛できる」と宣伝していた。買主Xはこの広告の文言を信じて当該脱毛機を買ったが、広告文言にあるような脱毛効果はなかった。XはY社に対し、錯誤により契約が無効であることを理由に代金の返還を求めることができる場合がある。
選択肢 ウ
広告媒体業務に携わる新聞社並びに同社に広告の仲介・取次をする広告社としては、新聞広告のもつ影響力の大きさに照らし、広告内容の真実性に疑念を抱くべき特別の事情があって読者らに不測の損害を及ぼすおそれのあることを予見し、又は予見しえた場合には、真実性の調査確認をして虚偽広告を読者らに提供してはならない義務がある。
選択肢 エ
タレントYは不動産販売業者Aの販売広告に登場し、Aは信頼できる会社と述べ、Aが売る土地の購入を推奨した。しかし実はAはほとんど価値のない原野や山林を、詐欺的な方法で不当に高価で売却する会社であった。しかしYは広告主、広告代理店、広告を掲載する媒体のいずれにもあたらないので、Yが出た広告を見てAがまともな会社であると信じてAから山林を買ったXに対し、損害賠償義務を負うことはない。
[出典:中小企業診断士 経営法務 平成16年度(2004) 試験 問14]