平成15年度(2003) 試験 問17 | 中小企業診断士 経営法務
次の文章を読んで、以下の設問に答えよ。X社は、画期的な新金属に用いる各種資材を製造・販売している。X社は製品Pについて特許・実用新案は出願していないが、その製造には独特のノウハウが必要である。AはX社の研究開発業務に従事し、そのノウハウを知ったが、X社を退職し、直ちにX社と同業のY社の研究所長に就任した。AはX社の製品Pに関する製法上のノウハウをY社に開示し、Y社はX社と同種の製品P'の製造・販売を始めた。 [a] には、X社はAに対し、損害賠償を求めることができる。さらに [b] には、X社はY社に対し、P'の製造・販売の差止めを請求することができる。
(設問1)
文中の空欄aに最も不適切なものはどれか。
AがX社の取締役であったとき
AとX社との間には、Pの製法上のノウハウについて特段の合意はなかったが、AはPの製法上のノウハウを秘匿するつもりであったところ、Pの製法上のノウハウが記載されたAの磁気記録媒体を過失によりY社に渡してしまったとき
Aの退職時にX社に対し、Pの製法上のノウハウについて他社に開示しないとの誓約書を提出していたとき
X社はPの製法上のノウハウを秘密として管理していたが、AはX社の就業規則に秘密の漏洩を禁止する条項がなかったので、Pの製法上のノウハウをY社に開示したとき
AはX社に在職中、X社に無断で学会でPの製法上のノウハウを発表していた。しかし、X社もY社もAの学会発表の事実を知らず、X社は依然としてPの製法上のノウハウを営業秘密として秘匿し、一方Y社はAをP'の製品開発に従事させた場合
Y社はAがX社で製品Pの研究開発を担当していたことを知りながら、P'の製品開発に従事させ、P'について特許を出願した。しかし、実はPの製法上のノウハウはX社の営業秘密であった場合
Y社はAがX社の従業員であったと知っていたが担当業務がわからなかったので、X社の人事部に問い合わせたところ、X社の人事部は誤ってAが製品Pの開発・製造には従事していないと回答したので、Y社はAをP'の製品開発に従事させた。しかし、実はPの製法上のノウハウはX社の営業秘密であった場合
Y社はAがX社の従業員であったと知らずにP'の製品開発に従事させ、P'を製造・発売したが、実はPの製法上のノウハウはX社の営業秘密であった場合