平成15年度(2003) 試験 問19 | 中小企業診断士 経営法務
次の文章を読んで、以下の設問に答えよ。
X社は、医薬品の開発製造を行っているベンチャー企業である。
社長のM氏は研究開発に係る資金を、金融機関からの借入れではなく、ベンチャーキャピタルからの増資により調達したいと考えている。
ただし、経営にあまり関与されたくないため、普通株式による調達ではなく、議決権を制限した①種類株式による調達を考えている。
また、役員及び従業員への報酬については、利益が出る数年先までは十分に支払ができないこと、さらに、役員及び従業員の士気を高めるため、②新株予約権を付与することを考えている。
もちろん、数年後には③株式を公開することを目論んでおり、役員及び従業員へ還元できるものと考えている。
(設問1)
文中の下線部①の議決権を制限した種類株式について、以下の記述のうち最も適切なものはどれか。
議決権を制限した株式は、株式の内容及び数を事前に登記しなければ発行することができない。
議決権を制限した株式は、定款に株式の内容及び数を記載しなければ発行することができない。
議決権を制限した株式は、取締役会の決議により発行することができる。
議決権を制限した株式は、発行済株式総数の3分の2になるまで発行することができる。
新株予約権の行使により発行する株式の数は発行済株式総数の10分の1を超えることができない。
新株予約権の行使は付与決議後10年を経過する日後はできない。
新株予約権は常に取締役会の決議で付与することができる。
新株予約権は取締役及び従業員以外にも付与することができる。
大阪証券取引所ヘラクレスに上場する場合、スタンダード基準とグロース基準に区分されるが、グロース基準では、利益の額が5,000万円以上であることが必要である。
ジャスダック(日本証券業協会)に上場する場合には、利益の額が1億円以上であることが必要である。
東京証券取引所市場第2部に上場する場合には、利益の額が直前期5億円以上であることが必要である。
東京証券取引所マザーズに上場する場合には、利益の額について、基準はない。