平成15年度(2003) 試験 問24 | 中小企業診断士 経営法務
次の文章を読んで、以下の設問に答えよ。
A国立大学の研究室でバイオテクノロジーの研究をしているT教授は、このたび自分の研究に基づき個人特許を取得した。
この特許を利用して研究成果の普及が出来ないかと考えているところへ、知り合いの中小企業診断士のQ氏から①会社を設立してはどうかと提案された。
しかし、T教授は研究に関する知識は持っているが、会社の設立や経営に関しては何もわからない状態であった。
そこでA国立大学の②TLO(Technology LicensingOrganization)に相談をしたところ、会社の設立には原則として、株式会社で1,000万円、有限会社であっても 300万円が資本金として最低限必要であると言われた。
上記の最低資本金には特例もあるが、実際に会社を経営していくには、事業の資金が必要であるとのアドバイスを受けた。
T教授は会社を設立し、ベンチャー・キャピタルから資金を調達し、株式公開を目指すか、またはTLOを経由して企業に特許の実施権を許諾すべきか慎重に考えた。
(設問1)
下線部①の「会社を設立」するためには様々な準備が必要となる。
株式会社の設立について説明した以下の文章のうち、最も不適切なものはどれか。
株式取扱銀行に登記簿謄本及び印鑑証明書等を提出して口座を開設する。
設立登記の申請を法務局にした後に、定款を作成する。
設立登記の申請を法務局にした後に、登記簿謄本及び印鑑証明書の交付申請をする。
設立登記の申請を法務局にする前に、類似商号の調査をしなければならない。
TLO法とは、大学等における技術に関する研究成果の民間事業者への移転の促進に関する法律(略して大学等技術移転促進法)のことである。
TLOが得た収益は、研究者のみならず大学等に還元されて、さらなる研究資金として活用される。
TLO法の目的は、大学等から生じた研究成果の産業界への移転を促進し、産業技術の向上及び新規産業の創出を図るとともに、大学等における研究活動の活性化を図ることにある。
承認TLOが出願する特許について、特許料及び手数料の金額が免除される政策支援措置がある。