平成16年度(2004) 試験 問8 | 中小企業診断士 経営情報システム
次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。
S氏はビデオのレンタル業を営んでいる。
日々の業務は、次のような内容である。
来店した顧客が店頭棚に配架されたビデオの空箱を見て好きなビデオを選ぶと、その空箱または番号札をカウンターに持ってくる。
店員は、該当するビデオを在庫棚から探してカウンターに持ってきて、顧客が提示する会員カードをもとに、貸出台帳に、顧客名、会員番号、ビデオタイトル、貸出期間、貸出料金を記入して、貸出料金と引き替えに顧客にビデオを手渡す。
顧客からビデオが返却されると、貸出期間の超過日数、ビデオの損傷などをチェックしてビデオを受け取り、貸出台帳に返却済の記帳をするとともにビデオを元の在庫棚に戻している。
その他、新規の顧客の登録や退会処理などの顧客原簿の更新管理、仕入れ業者から新規に購入したビデオの登録や損傷したビデオの除去などのビデオ原簿の更新管理、そして月別の各ビデオの回転率などの集計・分析を行っている。
S氏は、中小企業診断士とともに、現行業務のコンピュータによる合理化、効率化を考えている。
(設問1)
システム開発アプローチとして、データ中心アプローチを採用し、まずERモデルを作成することとした。
ERモデルの説明として最も不適切なものはどれか。
ERモデルとは、現実世界を「実体」と実体間の「関連」という視点でとらえるもので、実体関連モデルとも呼ばれる。
ERモデルは、現実世界を概念モデルへと写し取る際に用いられる。
業務内容を書き出し、名詞の中から「実体」を、動詞の中から「関連」を識別するというのは有効な方法の一つである。
「実体」は有形の実体のあるものでなければならず、無形の概念はすべて「関連」として表現されることになる。
A:顧 客
B:貸 出
C:ビデ
D:購 入
E:仕入れ業者
A:貸出料金
B:日 数
C:ビデ
D:除 去
E:仕入れ業者
A:会員番号
B:貸 出
C:顧 客
D:注 文
E:新ビデ
顧客名 | 顧客コード | 貸出日 | ビデオ名(タイトル名) |
鈴木太郎 | 001 | 4月1日 | ○○○○ |
田中真一 | 002 | 5月2日 | △△△△△、[ ][ ] |
鈴木太郎 | 001 | 6月3日 | [ ][ ]、××× |
顧客名の欄に鈴木太郎が2回出てくるのは繰り返し部分であり、非正規形であ る。
すでに第三正規形を満たしており、とりあえずこれ以上正規化する必要はな い。
第二正規形であり、顧客名と顧客コードの依存関係を解消すれば第三正規形と なる。
ビデオ名の欄に複数のビデオ名が記載されているのは繰り返し部分であり、非 正規形である。