平成26年度(2014) 試験 問21 | 中小企業診断士 企業経営理論
変化する環境に効果的に適応していくためには、組織を戦略的に変革することが必要となることがある。
一般に戦略的に組織変革を進めていくプロセスを、①組織変革の必要性を認識すること、組織変革案の創造、②組織変革の実施・定着という3段階に分けて考えることができる。
戦略的な組織変革のプロセスについて、以下の設問に答えよ。
(設問1)
文中の下線部①の組織変革の必要性を認識することに関する記述として、最も適切なものはどれか。
組織の現状を客観的に診断するために、組織内の情報に頼らず、外部環境の調査機関やコンサルタントなどから情報を収集する。
組織変革を進めている間にも現在の業務を遂行しなければならないため、中間管理職や現場管理者を巻き込まないよう配慮し、大局観をもったトップマネジメントが現状を診断する必要がある。
組織メンバー間やコンサルタントとの間で、フェイス・ツー・フェイスのコミュニケーションを通じて、できるだけ問題が生じている現場の生のデータを収集し、予期されなかった事態についての情報にも耳を傾ける必要がある。
変革の認識を共有する場面では、様々なコンフリクトが顕在化した場合、円滑な変革プロセスを妨害する可能性があるため、速やかに政治的な処理をしていく必要がある。
既存の組織内で権力を持っていた集団が新しい組織案ではその権力を失ってしまうことに抵抗を示す可能性があるので、そのような権力集団を排除する必要がある。
望ましい組織変革案を支持するメンバーに対して、ボーナス、給与、昇進などの報酬を与え動機づける必要がある。
変革の実施段階では、非公式のコミュニケーションルートを様々なうわさや妨害情報が流れるので、非公式な情報ルートを遮断し、公式なコミュニケーションを徹底することが重要となる。
変革を自己に有利な形で利用して権力を握ろうとする集団が登場することがあるため、混乱が収まるまで新しい組織案を提示しないようにしなければならない。