平成26年度(2014) 試験 問27 | 中小企業診断士 企業経営理論
一般的に果物の成分効用は明確に識別することが可能である。おのおのの果物の成分効用という情緒的属性をベースとしたブランド・アイデンティティをデザインすれば、大きな効果を得ることができる。
果物のブランド化においては、取引先小売チェーンも顧客データや販売データを分析し、より廃棄ロスの少ない形でのブランド育成の方法を探索することが望まれる。
この果物のブランド化の取り組みは、少なからず作柄の影響を受ける。作柄に応じて、生産者側が出荷制限を行ったり、小売チェーン側が卸売市場を通した機動的な仕入れを行ったりすることが商品の安定的供給の上で不可欠である。
取引相手となる小売チェーンの店頭で展開する果物商品を通じて消費者の欲求理想点に近いポジションを獲得することができれば、このブランド化の構想は、強力なプッシュ効果による指名買い行動を生み出すことが可能となる。
S氏らは、果物を購買し消費する人々の行動原理がどうなっているのか、そしてそれらの行動の背景にはどのような気持ちがあるのかを知りたいと思っている。そうした「消費者の潜在意識的な部分」のことをコンシューマー・マインドマップと呼ぶ。
S氏らは、取引先小売チェーンの協力のもと、果物の消費量の異なる複数のセグメントに属する消費者を集めてデプス・インタビューを継続的に実施している。グループダイナミクスの効果によって、思いもかけない果物の消費体験例を知ることができる。
S氏らは、取引先の小売チェーンにPOSデータの分析を依頼している。その中でもとくに陳列情報、販促情報やその他果物の販売量に影響を与えるコーザルデータの分析を重視している。この種のデータはPOSデータから直接、簡単に取得できるものであり、迅速な意思決定を支援する。
S氏らは、年齢と果物消費量の関係をさらに深堀りして把握するために、調査設計において被験者の「年齢」、「時代」、「世代」からなる3つの要因を分解して分析可能なアプローチを設計した。これは、有効な方法である。