平成23年度(2011) 試験 問20 | 中小企業診断士 企業経営理論
次のケースを読み、あなたがA社のコンサルタントとして診断するとすれば、経営者への助言として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
「創業以来、個性的な開発者による小規模なプログラムの受注開発を請け負ってきたA社は、その成長とともに、次第により大きな規模の企業から複雑なプログラムの開発を受注するように主な事業ドメインをシフトしてきた。
従業員数も急激に増加してきたが、2年ほどたつと、取引先企業のコスト削減要求が強くなり、一方で競争も激化し、売上高の伸び率も鈍化してきた。
それまで開発者同士を切磋琢磨させるために導入していた個人へのインセンティブシステムを廃止し、従業員も削減し始めた。
またこの時期から、創業当初からいた個性的な開発者たちが次々と A社を辞職していき、利益率も悪化し始めた。
そこでA社は、個人へのインセンティブシステムを復活させ、従業員のモチベーションを高めようと組織改革に取り組んだ。
しかし、取引先企業からは納期の遅れや品質面での苦情が多数寄せられるようになり、その修復にコストがかかるようになり、一時的に利益率は回復したものの、その後、かえって利益率は低下してしまった。」
選択肢 ア
開発者たちの創造性を高めるため、個人へのインセンティブの幅を大きく し、従業員間の競争を促進する。
選択肢 イ
個人へのインセンティブの幅を小さくし、プロジェクト単位での顧客満足度 を報酬に反映させるようにする。
選択肢 ウ
従業員を削減し、個人の責任を明確にするとともに、個人へのインセンティ ブの幅を大きくする。
選択肢 エ
職務のルーティン化を進め、個人へのインセンティブの幅を削減し、人件費 総額を圧縮する。
選択肢 オ
創業当初からいた個性的な開発者たちをA社に戻すため、特別の給与体系 を用意する。
[出典:中小企業診断士 企業経営理論 平成23年度(2011) 試験 問20]