平成21年度(2009) 試験 問15 | 中小企業診断士 企業経営理論
規模の大小にかかわらず閉塞感にさいなまれている成熟した事業を展開している企業では、優れた人材の持つ能力を制約したり破壊するような組織内環境をつくってしまう可能性がある。こうした組織を、人材の持つ専門能力やエネルギーを組織の力として効果的に統合するように変革を進めていくためには、個々の従業員のコンピテンシーを開発するとともに、その力を組織へ統合し、維持していかなければならない。こうした組織変革のプロセスに関する下記の設問に答えよ。
管理者は、部下のコンピテンシーの状態を絶えず評価し、彼らがミスを犯さないようにプロセスをチェックしていく。
現場の従業員に経営資源を活用する権限を移譲し、自己規律に基づくエンパワーメントをしていく。
個人の自発的コミットメントを引き出すために、従業員の賃金のベースアップ率を高くする。
従業員個人の職務を明確に規定し、どの職務を担っても処遇に差が生じないよう、一律の賃金体系を導入する。
同僚や高い評価を受けている従業員に対して不公平感を感じないようにするため、従業員相互で評価についての比較をさせないようにする。
管理者は部下のメンターもしくはコーチとして行動し、専門職能を基軸とした分権的組織構造を構築する必要がある。
個人間の情報伝達をオープンにするため、非公式の情報伝達ルートを制限し、誰でも情報を入手できるようにする。
個人の責任・権限と財務的報酬を明確に定義した業務評価システムを構築し、個人レベルの学習が組織にとってどう関係するかを理解できるようにする。
従業員が参加できる集団的意思決定方式を導入し、全員一致の合意に基づく政策決定を優先するようなリーダーによって運営される必要がある。
成熟した事業部門の枠を超えて、他の事業部門との横方向の情報交換を促進するような場の設定や、情報システムを導入する。