平成21年度(2009) 試験 問27 | 中小企業診断士 企業経営理論
数多くのブランドを展開する中堅アパレル・メーカーのC社では、各ブランドのプロモーション活動が局地的に実施されてきたことが理由で、企業理念と各ブランドの戦略が結びつかない状況に陥り、その結果、顧客離れが進んでしまった。この状況を打破するために、同社は、統合マーケティング・コミュニケーション(IMC)の視点の導入を図っている。IMCに関する以下の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
選択肢 ア
IMCのアプローチは、顧客関係性に重点を置いているため、そのコミュニケーション目的は、市場占有率だけでなく、顧客シェア、つまり顧客の生涯価値の重要性に着目する。
選択肢 イ
IMCの枠組みでは、コミュニケーション投資の効果、つまり投下資本回収率の計測を重視しているが、現実にはこれを測定することは非常に難しい。
選択肢 ウ
IMCは伝統的な広告と同様、送り手から受け手に対する一方通行のコミュニケーションであることに変わりはないが、顧客起点である点と、顧客を含むステークホルダーへの配慮に重点を置いている点がユニークな特徴である。
選択肢 エ
広告、販促、広報のいずれもが、企業の発信するコミュニケーション活動であり、これらは企業理念、企業戦略、事業戦略、ブランド戦略の中で一貫性をもち、いわば「ひとつの統一されたメッセージ」で結びつけられることが欠かせない。
選択肢 オ
伝統的なマーケティング・コミュニケーションでは、一定の期間に集中的にコミュニケーション投下を行っていたが、IMCでは複数のプロモーション・ミックス要素を組み合わせて断続的な働きかけを行っていく。
[出典:中小企業診断士 企業経営理論 平成21年度(2009) 試験 問27]