平成20年度(2008) 試験 問8 | 中小企業診断士 企業経営理論
次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。
企業が設立される理由はさまざまであるが、①近年の会社法の施行や証券市場の整備によって創業やIPOが容易になったことも重要な要因である。
しかし、制度が整備されたとはいえ、創業した企業を発展させ、持続的成長を図ることは容易ではない。
零細企業を脱してIPOが可能な企業への成長を目指す場合、創業してから安定成長の軌道に乗るまでに克服しなければならないいくつかの壁がある。
創業からまもなく直面する壁は、②企業として自立するために創業時の制約条件を克服することである。
これを克服して従業員が増え、会社としての形態が整ってくると、やがて創業者は③創業時の熱気を維持し組織の活力を高めることを課題として自覚するようになる。
これが第2の大きな壁である。
この克服には時間と情熱を傾けて取り組まなければならない。
組織として会社が動くようになると、④各部署の戦略行動をまとめ上げて、会社としての総合力が発揮されるように組織に働きかけることが重要になる。
このことが自律的に発展を続ける企業への脱皮に向けて取り組む最後の壁になる。
(設問1)
文中の下線部①のような措置によって創業やIPOが容易になったことをめぐる説明として、最も適切なものはどれか。
会社法で解禁された合同会社(LLC)は、出資者1名以上の有限責任制度で、しかも取締役会・監査役会が不要であることから、新規創業の方式として注目されている。
会社法では最低資本金制度が廃止されて、株式会社は資本金1円でも設立可能であり、取締役会設置会社を除き設立時の取締役は3名だけで済むようになった。
会社法では有限会社が廃止されたが、既存の有限会社は特例有限会社として登記しなおすことによって存続できることになっており、有限会社の廃止は創業意欲に水を差すものではない。
キャピタル・ゲインへの課税方式の変更や株券の電子化は、個人の株式投資への誘因になっており、個人投資家の資金流入が増加して、IPOを目指す企業の追い風になっている。
東京証券取引所のジャスダック市場、大阪証券取引所のヘラクレス市場をはじめ各種の新興市場が開設されてかなり経過しているが、近年これらの市場でIPOが急増している。
a キャッシュフロー・マネジメントに留意して自己資本比率を高めるとともに、資金調達先への依存度を調整する。
b 以前勤めていた企業で身についた技能とそこからの受注で創業したが、その企業の将来性は厳しく受注も伸び悩んでいる。しかし、他社からの受注活動は一切しないようにする。
c 創業の契機になった自社技術や市場は新規参入が相次いで競争が激化しており、赤字転落したので、採算の見込める価格に改訂し、市場拡大を図る。
d 創業時に支援を受けた以前の勤務先やそこから紹介を受けた得意先への依存を改めるため、新規顧客の開拓を進める。
aとb
aとc
aとd
bとc
cとd
会社の目標と計画に沿って個人別の目標を設定する場合、部下の参画を求め、主体的な目標管理を促すとともに、新入社員に対しては上司が積極的に目標設定を指導する。
会社への忠誠心を高めるために、個人別に業績を評価し、それを給与や処遇に連動させた計数管理を徹底する。
職務へのコミットメントを高めるために、個人別に権限と責任を明確にした管理システムを導入する。
創業の思いを共有するため、トップは従業員との対話の機会を増やし、創業時の思いや成功・失敗談を語るとともに、個々の仕事への意欲的なチャレンジを奨励する。
カンパニー制のような自律的な事業組織を編成し、事業部長に経営計画や資源配分および利益目標等の企画に関するすべての責任と権限を与え、本社は業績の管理だけに徹するようにする。
機軸となる新規プロジェクトについては、そのリーダーに大きな権限を与えて、社内資源の動員を図り、資源のシナジーを生かしたプロジェクト遂行を進める。
経営計画を定め、計画と統制のサイクルを各組織の単位で回すとともに、個人レベルでもPDCAサイクルが回るように目標管理体制を構築する。
事業分野が多様化して、ヒト、モノ、カネなどの配慮に無駄が生まれるので、全社の戦略目標を明確にしてPPMに基づいた資源配分を試みる。
製品市場分野ごとに現場での独自な取り組みを促すための予算や人員の配置を行うとともに、その実施プロセスと成果について全社レベルで意見交換や分析を行う。