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次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。

デジタル技術の進展にともない、カメラの主流はフィルムカメラからデジタルカメラへとシフトしている。デジタルカメラの中身をみると、レンズや焦点制御などのカメラ部品にも増して、電荷結合素子(CCD)、液晶モニター、信号処理等のLSIなどの電子部品が主要なコンポーネントになっている。そして、主要なコンポーネントそれぞれに有力な供給業者が存在するが、それら部品の供給業者や有力電子機器メーカーは、同時に、デジタルカメラの生産者としてデジタルカメラ業界に参入する例が少なくない。デジタル製品では、鍵となる電子部品を調達でき組立技術さえあれば、異業種からでも参入できる余地が大きいからである。また、電子部品の標準化が進むにつれてデジタルカメラは差別化が難しい商品になりつつあることも注目すべき点である。しかし、既存のカメラメーカーの製品の中には、フイルムカメラで長年培ってきたカメラや写真に関する独自の技術やノウハウなどの強みを生かして差別化を図り、強い市場地位を占めるものが登場してきている

(設問1)
文中の下線部①のように、デジタル技術や情報技術などエレクトロニクス技術 のスピードの速い革新を受けて、新規製品が市場シェアを一挙に占有するような 現象がしばしば見られる。このような場合、既存の企業の不適切な戦略行動は、 ただちに業績を悪化させかねない。このような状況で、最も不適切な戦略になる のはどれか

選択肢 ア

OEMを視野に入れた製品供給体制を敷き、当該製品の技術標準を確立しつつ、自社のブランド力を生かしたマーケティング戦略に重点を置く。

選択肢 イ

研究開発に経営資源を重点的に配分して、すべての部品やキーコンポーネン トを自社生産に切り替えて、既存製品のシェア拡大に特化する。

選択肢 ウ

国内競争力を失いつつある製品について、海外生産や海外発注に切り替え、海外からの安価な製品を大量供給しながらシェアの回復を図る。

選択肢 エ

参入の遅れた技術については外部からの部材供給に切り替え、得意とする現有技術の精緻化を図りつつ、製品供給に取り組む。

選択肢 オ

社内技術やノウハウの囲い込みや漏出対策をとりながら、生産能力を強化するとともに、新製品開発を急ぎ、自社製品の競争力を高める。

[出典:中小企業診断士 企業経営理論 平成18年度(2006) 試験 問3]

(設問 2)
先端的な技術をめぐって競争を繰り広げる分野では、文中の下線部②のように、さまざまな電子部品が供給される仕組みが存在する。このような部品等の供給を行う企業に関する説明として、最も不適切なものはどれか。

選択肢 ア

工場を持たずに主として製品の企画や設計に専念する企業をファブレス企業と呼んでいる。

選択肢 イ

顧客の設計図をもとに電子部品等の製造を請け負う企業をファウンドリー企業と呼んでいる。

選択肢 ウ

電子部品メーカーからの部品供給網を築いて電子部品を販売する流通業者をEMS企業と呼んでいる。

選択肢 エ

発注元のブランドや仕様に基づいて電子部品等を設計し製造する企業をODM企業と呼んでいる。

[出典:中小企業診断士 企業経営理論 平成18年度(2006) 試験 問3]

(設問 3)
文中の下線部③のような異業種からの新規参入の結果、競争環境は大きく変わることになる。そのような変化や企業の戦略行動に関する説明として、最も不適切なものはどれか。

選択肢 ア

新規参入企業が国際的な水平分業を活用して、標準化したキーデバイスを外部調達して開発した製品を大量供給しながら参入すると価格競争が激化しやすい。

選択肢 イ

成長産業で技術仕様が不断に変化すると、標準部材市場が崩壊するので、新規参入企業は新製品の開発が不可能になり、撤退せざるを得なくなる。

選択肢 ウ

先発企業は、部材間の適合性を確保した製品設計を図り、設計技術力による差別化によって、参入企業のキャッチアップのタイムラグを生み出して参入企業の追撃をかわす。

選択肢 エ

先発企業は、部材の適合的なデザインと生産技術の最適ミックスによりキーコンポーネントの独創性を強め、製品のコモディティー化を回避しようとする。

選択肢 オ

多数の企業が類似技術で参入すると、先発企業は製品開発コストを十分回収できない横並びの価格競争に陥ることになる。

[出典:中小企業診断士 企業経営理論 平成18年度(2006) 試験 問3]

解答

設問1
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