平成18年度(2006) 試験 問8 | 中小企業診断士 企業経営理論
次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。
ある産業において同業の中小企業が特定地域に集積するほど、同業者間の競争が緩和するとともに、中小企業の技術や経営力が強くなる。
ある地域に集中立地する同業者が連携すると、もともとある大手企業に対して一定の交渉力をもつことができる。
特定の産業において中小企業が水平的に連携することにより、業界情報の獲得や共有が円滑に進み、作りすぎや在庫の抱え込みを調整できる。
特定に地域に同業種の企業が集積することによって、資材や中間製品等の空間移動が短くなり、物流コストが軽減される。
もともとある大手企業が、特定地域に集積する取引先の中小企業に対して技術指導や経営改善のアドバイスなどを行うことによって、産業集積内の経営効率は向上する。
進出企業側の納期や受注単価などの条件が厳しく、地場の中小企業は慣れ親しんでいる既存の取引先を優先しがちになるから。
進出企業の注文を受けると、地場の同業者の信頼を失い、地場の金融機関の支援も受けられなくなるから。
進出企業の発注に応えるには新規設備投資が必要な場合が多く、地場の中小企業は資金的にも人材的にも投資余力が乏しく対応しきれないことが多いから。
地場の中小企業の技術水準が低いため、進出企業の発注仕様に応じられないことが起こりがちだから。
異質な業種の進出にともなって競争が激化すればするほど、地場企業は新規技術の導入や固有の技術の精緻化に取り組みがちであり、産業集積内の技術は高度化する可能性が高くなる。
大手の進出企業が地場の中堅中小企業に求める新規技術をめぐって、産業振興を図ろうとする自治体や公的機関による技術移転あるいは地場企業間の学習を通じた技術習得などがみられ、集積による技術革新が発生しやすくなる。
新規進出企業の技術革新のスピードが速いほど、地場の中小企業はそれに対応できる企業とそうでない企業との間で格差を拡大しながら、産業構造の高度化が進行する。
新規の企業立地にともなって、工場用地や労働力の不足が起こりやすくなるが、製品の高付加価値化によって産業集積の経営効率化が進む。
他地域からのサポーティング企業の新規立地によって、新規進出企業に対する受注競争が緩和されて地場の中小企業は好業績になる。