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次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。

大企業の生産部門に約10年勤務したA氏は、自分が腕を磨いたアルミ加工技術を活かすべく、①会社を辞して仲間3名で出資して資本金500万円で平成11年に有限会社を設立した
彼らは常に生産現場で協力しながら、アルミ鋳物の鍋やフライパンを作り続けた。
製品は好評で、会社は2年間毎月売上を伸ばしたが、3年目に入ると陰りが見え始めた。
幸いにも②新製品の開発に成功し、やがてそれが売上に貢献するようになった。
工場を拡張し、営業部門も増員した。
ところが、会社が大きくなるにつれて、長期雇用をベースに熟練を形成して、従業員の創意工夫が湧きあがる会社を目指すという社長の意図が浸透せず、従業員の士気は低下しはじめた。
重大な危機と認識した社長は、③矢継ぎ早に必要な手立てを講じた
こうして勢いを取り戻した会社では、従業員から製品アイデアや生産工程の改善アイデアが出るようになった。
現場の知恵を活かした新製品は好評で、会社は売上を伸ばし始めた。

やがて④地元の大学と連携を深めながら、アルミ溶接などの高度な技術に挑戦するようになった。

(設問1)
文中の下線部①のような会社を設立したときに発生する事柄について述べたものとして、最も不適切なものはどれか。

選択肢 ア

運転資金不足のため3名は貯蓄をつぎ込んだが、それでも足りず、やがて3名は自宅を担保に銀行から資金を借り入れた。

選択肢 イ

初年度は売上が3千万円であったので、内税にしていた消費税は納めなかった。

選択肢 ウ

設立の登記に際して印鑑証明が必要になったが、A氏はその3週間前に役所で発行してもらった印鑑証明があったので、それを使うことにした。

選択肢 エ

有限会社なので、設立時に社員総会を開いたが、その後は社員総会を開催しないで済ませている。

[出典:中小企業診断士 企業経営理論 平成16年度(2004) 試験 問4]

(設問 2)
文中の下線部②に関連して、新設の小規模企業が製品開発を行うための対応策として、最も不適切なものはどれか。

選択肢 ア

最新鋭の自動化設備を導入して、他社を凌駕する生産効率をあげる。

選択肢 イ

従業員に自分のアイデアを試作する機会を与える。

選択肢 ウ

消費者をモニターにして、自社製品についての意見をこまめに集める。

選択肢 エ

商品見本市への出品や百貨店に強い販売力をもつ納入業者との情報交換を活発化する。

[出典:中小企業診断士 企業経営理論 平成16年度(2004) 試験 問4]

(設問 3)
文中の下線部③でとった手立てとして、最も不適切なものはどれか。

選択肢 ア

QC活動を導入して、優れた改善提案に対して金一封を添えて表彰する。

選択肢 イ

会社の方針に沿って機能別に職務を編成して、権限と責任を明確にする。

選択肢 ウ

業績があがらず不満の多い従業員を面接指導し、場合によっては配置転換する。

選択肢 エ

経営計画の策定に従業員を参加させて経営責任を共有する。

選択肢 オ

従業員を短期の雇用契約に切り替え、出来高給制をとって雇用の流動化を図る。

[出典:中小企業診断士 企業経営理論 平成16年度(2004) 試験 問4]

(設問 4)
文中の下線部④のように産学連携を進める際に、大学のTLO(技術移転機関)が重要な役割を果たすとの期待が高まっている。しかし、中小企業にとっては TLOと連携して技術戦略を推進するのは必ずしも容易ではないようである。その理由として最も適切なものはどれか。

選択肢 ア

外部機関との共同研究によって生れた特許は、原則として大学に帰属するので、TLOにとっても中小企業にとっても共同研究に取り組むインセンティブが働きにくい。

選択肢 イ

大学のTLOには中小企業の技術や経営に精通した人材が比較的少ない。

選択肢 ウ

大学のTLOや産学連携に関する情報が中小企業へは全く伝わらない。

選択肢 エ

大学の保有する特許は先端技術に基づくものばかりであり、ビジネス化には多額の追加投資が強いられがちであり、中小企業には不向きである。

選択肢 オ

大学は高等な基礎研究重視であり、中小企業を相手にしてくれない。

[出典:中小企業診断士 企業経営理論 平成16年度(2004) 試験 問4]

解答

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