平成30年度(2018) 試験 問36 | 中小企業診断士 企業経営理論
次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。顧客リレーションシップのマネジメントにおいて、企業は、①収益性の高い優良顧客を識別し、優れた顧客価値を提供することで関係性の構築、維持、強化に努め、②ブランド・ロイヤルティなどの成果を獲得することを目指している。
(設問1)
文中の下線部①に関する記述として、最も適切なものはどれか。
初めて購入した顧客がリピート顧客、さらには得意客やサポーターになるように、関係性にはレベルがある。自分のすばらしい経験を、顧客が他者に広めているかどうかは、関係性レベルの高さを判断するための手段となる。
パレートの法則をビジネス界に当てはめると、売上の50 %が上位50 %の優良顧客によって生み出される。
優良顧客の識別には、対象製品の購買においてクロスセルやアップセルがあったか否かは重視されない。
優良顧客の識別のために用いられるRFM 分析とは、どの程度値引きなしで購買しているか(Regular)、どの程度頻繁に購買しているか(Frequency)、どの程度の金額を支払っているのか(Monetary)を分析することである。①②
関係性が構築され、それがさらに維持、強化されることで、特定顧客における同一製品カテゴリーの購買全体に対して自社製品が占める割合、つまり市場シェアの拡大が見込める。
関係性が構築されると、同一製品を再購買する傾向である「行動的ロイヤルティ」が高まる。それはブランド・コミットメントと言い換えられる。
消費者は、惰性、サンクコストや所有効果により、現在利用している製品やサービスを変更しない傾向がある。こうした傾向が、真のロイヤル顧客の識別を難しくする。
製品やサービスの購入および利用に対してポイントを付与することにより再購入を促し、継続的な取引の維持を目指そうとする「ロイヤルティ・プログラム」は、多くの企業が採用可能な、経済効率の非常に高い施策とみなされている。