平成21年度(2009) 試験 問10 | 中小企業診断士 経済学・経済政策
次の輸入関税と生産補助金の効果に関する文章を読んで、経済厚生分析の説明として、最も不適切なものを下記の解答群から選べ。
下図は、輸入競争財市場(たとえば農産物)を描いたものである。いま、当該財の国内需要曲線がDDで、国内供給曲線がS1S2で描かれている。ここで、自国は「小国」であり、当該財の国際価格をPfとする。自由貿易下での消費量はQ1、生産量はQ2であり、輸入量は(Q1-Q2)に等しい。ここで、当該財の輸入にTの関税を賦課した場合、国内価格はPd(=Pf+T)に上昇する。この結果、消費量はQ3に減少し、生産量はQ4に増加する。他方、生産補助金を交付することで輸入関税の場合と同じ生産量Q4を実現することも可能である。このとき、生産補助金の交付により、国内供給曲線はS1S2からS3S4に平行移動する。
選択肢 ア
生産者に対する補助金交付額は、四角形S1HIS3に相当する。
選択肢 イ
生産補助金交付時の経済余剰の損失は、三角形EFGになる。
選択肢 ウ
生産補助金交付時の生産者余剰は、三角形PfIS3に当たる。
選択肢 エ
輸入関税下における経済余剰の損失は、三角形EFGと三角形HIJの和になる。
[出典:中小企業診断士 経済学・経済政策 平成21年度(2009) 試験 問10]